9世紀フランスの巨匠画家
ドラクロワ(Eugene Delacroix)の代表作
「民衆を導く自由の女神」が、
美術館で来館者によって落書きされる
事件がありました。
仏北部ランスに最近開館した、
ルーブル美術館の別館に
展示されていたこの絵画に、
28歳の女性が黒いペンで「AE911」という
文字を落書きしました。
他の来館者や、駆け付けた警備員に
取り押さえられました
女性は精神的に不安定だったそうです。
ルーブル美術館によれば、
絵の右下の約30センチ四方の部分に
残された落書きは表面的なもので、
また絵にはワニスが塗布したあったため
その下の絵の具の層にまで至っておらず、
修復専門家らによって
「完全に消す」ことが可能だと
いうことです。
ドラクロワ↓(注意:音が鳴ります)
民衆を導く自由の女神」は、
1830年に起きたフランス7月革命を
主題としています。
絵の中心に描かれている民衆を導く果敢な女性、
マリアンヌは、フランス共和国を象徴する女性像、
もしくはフランス共和国の擬人化された
イメージで、「自由の女神」として
知られています。
原題のから分かるように、
女性は自由を、乳房は母性すなわち祖国を、
という具合に、ドラクロワはこの絵を
様々な理念を比喩(アレゴリー)で表現しています。
一方で彼女がかぶるフリギア帽は、
フランス革命の間に自由を象徴するようになりました。
女性の隣に立つ、マスケット銃を手にした
シルクハットの男性はドラクロワ自身
であると説明される事が多いそうです。
1831年5月のサロン展に出品され、
フランス政府は同年に革命を記念するため
としてこの作品を3,000フランで買い上げましたが、
あまりにも政治的で扇動的であるという理由から、
1848年革命まで恒常的な展示は行われなかった
という歴史を持ています。
1874年にルーヴル美術館に収蔵されました。
★☆ ちょっと一言 ☆★
ニューヨークにある自由の女神像は、
アメリカ合衆国の独立100周年を記念して
フランスより贈呈され、1886年に完成した
ものだそうです。
フランスのパリにある自由の女神像は、
フランスがアメリカに自由の女神像を
送ったことの返礼として、
パリに住むアメリカ人たちが
フランス革命100周年を記念して贈ったもので
1889年11月5日に除幕式が行われています。
何かに感謝をして、礼を尽くす。
大切な事ですね。
日本人は、礼を重んじて来たと言いますが、
最近は礼節などが失われて来ているように
感じているのは私だけでしょうか。