奈良県桜井市の纏向遺跡(まきむくいせき)で
1991年に出土した花粉が
3世紀中ごろのバジルであることがわかったと、
環境考古学者の金原正明教授が発表しました。
バジルは熱帯アジア原産。
日本には江戸時代に薬用として持ち込まれたと
言われて来ました。
3世紀といえば邪馬台国の女王卑弥呼がいた
とされる時代で、当時の様子を知る上での
貴重な手がかりとなるのだとか。
花粉は遺跡の中心部にある溝の土壌から
わずかな量が検出されましたが、
何の植物かこれまで不明のままでした。
別の発掘調査で集めたバジルの花粉との比較を
顕微鏡で行なったところ、
同じ形をしていたため、
バジルだと判明したそうです。
卑弥呼の時代の花粉が見つかったことは、
その時期にすでにこの地が国際交流が盛んな
地域であったことを示しています。
纏向遺跡は三輪山北西に広がる大集落遺跡で、
前方後円墳発祥の地とも、大和朝廷発祥の地とも
いわれています。
弥生時代から古墳時代への転換期の様子を知る
重要な遺跡で、たびたび調査が行われていますが、
2000年に入ってようやく全体の5%程度の
発掘調査が終わったに過ぎず、
まだまだ全容は明らかになっていません。
邪馬台国畿内説の候補地の一つで、
同地にある箸墓古墳は卑弥呼の墓ではないか
ともいわれています。
纒向遺跡発掘に携わった
奈良県桜井市教育委員会は、
遺跡の3世紀に掘られた穴「土坑」から
桃のタネ約2,000個が見つかったと
2010年に発表しました。
桃の実は古代祭祀においては
供物として使われており、
1ヶ所で出土したタネ数としては
国内最多だそうです。
また2011年には、
この遺跡からマダイ、アジ、サバ、コイなど
6種類以上の魚の骨やウロコを確認したそうです。
動物もイノシシやシカ、カモの骨など
千数百点が見つかったと発表しています。
これらは食料ではなく、
供物であったと考えられています。
★☆ ちょっと一言 ☆★
3世紀の花粉の研究とは、
考古学とは、本当に緻密で
根気のいる仕事ですね。
けれども、何かを発見した時の喜びは
何ものにも代えがたいものがある事でしょう!
ひょうたん水の愛用者の方々も
体質改善の為に、根気よく使い続けて
望んだ喜びの結果を手にされた時の喜びも、
何物にも代えがたいものです。