伝説のキューバ人プリマバレリーナ、 アリシア・アロンソ(Alicia Alonso)さんが 90歳になることを祝い、米国の2大バレエ団の、 アメリカン・バレエ・シアターと ニューヨーク・シティ・バレエが、 11月にキューバの首都ハバナで公演するそうでうす。 アメリカン・バレエ・シアターが、 ハバナで最後に公演を行ったのが1960年でした。 その2年後の1962年以来、 米国はキューバに経済封鎖を続けています。 そのこともあって、米国のバレエ団によるキューバ公演は、 半世紀ぶりということになります。 アリシア・アロンソさん
アリシア・アロンソさんは、キューバの首都、 ハバナの裕福な軍人の家庭に生まれました。 幼少時にスペインでダンスを習ったのち、 9歳でバレエを始め、1937年にニューヨークへ移り、 アメリカ・バレエ学校で学びました。 1940年から1959年にかけては、 アメリカン・バレエ・シアターで活躍しました。 柔らかな動きと完璧なテクニックで古典も コンテンポラリーも自在に踊りこなし、 ジゼルとカルメン役では最高の評価を得ました。 しかしながら、19歳の頃から網膜剥離を患い、 手術を繰り返しながら失明に近い状態で踊り 続けてきました。 一時休業中の1948年、キューバに帰国して A・アロンソ・バレエ団を設立しました。 これは現在のキューバ国立バレエ団となっています。 1950年代からは振付も手掛け、 1972年にはパリ・オペラ座で 自らの新演出 『ジゼル』の初演を踊っています。 2002年からユネスコ親善大使となりました。 有形無形文化財の保護に尽力しながら、 ほぼ盲目となった現在でもキューバ国立バレエの 芸術監督を務め、海外公演にはすべて 随行しているそうです。