気候変動の研究においてペンギンの翼に
翼帯(フリッパーバンド)を装着しますが、
このことがペンギンの生存率を下げ、
繁殖にも悪影響を及ぼしているという論文が
英科学誌ネイチャーに発表されました。
通常識別タグは足に巻かれますが
ペンギンは体の構造上それが不可能なため、
翼の根元にきつめに巻かれるのです。
この翼帯はペンギンを泳ぎにくくして、
その結果餌探しに多大なエネルギーを費やし、
死に至る場合もあると言う事です。
この研究は、オウサマペンギン100羽を
翼帯を装着した50羽と装着しない50羽に分け
10年間にわたり観察したと言うことです。
その結果、翼帯を装着したグループの生存率は、
装着しなかったグループを16%下回り、
産まれたヒナの数も39%少なかったそうです。
また、翼帯を装着したペンギンが
繁殖地に到達する所要日数は、
装着しなかったペンギンより平均で16日も
長くかかり、繁殖成功率の低下や
ヒナが遅く産まれるて外敵から襲われやすくなる
リスクがあるということです。
一部の研究団体は倫理的な観点から
1980年代後半に翼帯の使用をやめていますが、
翼帯を使用する研究者はいまだに多いそうです。
オウサマペンギン(またはキングペンギン)は、
現生のペンギンではコウテイペンギンに次ぐ
2番目に大きな種類のペンギンです。
体長は85cm~95cmほどで体重は10kg~16kg。
成鳥は頭部とフリッパー(ひれ)と尾羽が黒、
背中は灰色、腹部は白色、
下くちばしの嘴鞘(ししょう)と耳の周辺、
喉が橙色をしています。
外見はコウテイペンギンに似ていますが小型で、
頭部から喉にかけてのオレンジ色が強いのが特徴です。
繁殖地は南大西洋とインド洋で、
南極大陸では繁殖していません。
ちなみにコウテイペンギンは、
体長は100cm~130cm、体重は20kg~45kgです。
南極大陸の周辺で群れを作って生活しています。
19世紀まではオウサマペンギンが
最大のペンギンとして知られ、
名も「King」(王)が冠されました。
その後、南極大陸に探査の手が伸びた結果、
さらに大きなコウテイペンギンが発見され、
名に「Emperor」(皇帝)が当てられた
ということです。
オウサマペンギンが産む卵は1つで、
足の上にのせ、お腹のだぶついた皮をかぶせて
温めます。ですから、構造物としての巣はありません。
卵は54日ほどで孵化しますが、
それまではオスとメスが交代で抱卵します。
両親の愛情いっぱいで、雛が生まれるのですね。
オウサマペンギン(king pengins)