ノルウェーの画家エドバルト・ムンクの代表作 「叫び(The Scream)」4点のうち 唯一個人が所有していた1点が2日、 米ニューヨークで競売にかけられ、 美術品として史上最高額の1億1990万ドル(約96億) で落札されました。 競売では7人が白熱した入札合戦を繰り広げ、 わずか12分間で価格は史上最高額に到達しました。 これまでの最高額は2010年に落札された スペインの画家パブロ・ピカソ作 「ヌード、観葉植物と胸像」の 1億650万ドルでした。 悪夢に出てくるような人物像と 不気味な色使いが特徴的な「叫び」は、 現代における実存的な不安と絶望を 象徴的に描いた世界で最も有名な 絵画の1つです。 今回出品された1点を所有していたのは 父親がムンクの友人で支援者だったという ノルウェー人だそうです。 ムンクの叫び
英競売ボナムズがロンドンで開いたオークションで7日、 17世紀スペインの画家、ディエゴ・ベラスケスの絵画 「Portrait of a Gentleman(紳士の肖像)」が 300万ポンド(約3億7000万円)で落札されました。 この作品は、典型的な17世紀の衣服に、口ひげと 顎ひげをたくわえた中年紳士の肖像画です。 2010年8月、ボナムズに19世紀の英国人画家、 マシュー・シェパーソンの一連の作品が持ち込まれた際、 その中に含まれていたそうです。 X線検査などの鑑定を行った結果、 この絵画がベラスケスの手によるものだと確認されました。 西洋芸術の全史を通じて、ベラスケスは最も偉大な 天才画家の1人と言われています。 ディエゴ・ベラスケス
ドイツのドルトムントにあるオストバル美術館で、 貴重な芸術作品の模様を清掃員が汚れと間違えて 拭き取ってしまい、作品を台無しにしてしまう という出来事がありました。 被害を受けた作品は同館に展示されている 前衛芸術家マルティン・キッペンベルガー氏の インスタレーション「天井から、それが滴り始めた時」 という作品で、評価額は80万ユーロ(約8600万円) だそうです。 1997年に早世したキッペンベルガーの同作品は、 細長い木の板を組み合わせた塔の下に ゴムの容器が置かれたもので、容器には 乾いた雨を象徴する薄茶色の模様が書かれていました。 ところが清掃員は、これを汚れと勘違いして 模様を拭き取り、容器をピカピカに磨き上げてしまい、 元の状態への修復は不可能だとか。 作品は同館が個人収集家から有償で借り受けて いたものでした。 オストバル美術館は1947年に設立された美術館で 20世紀と21世紀の芸術だけを紹介しています。 マルティン・キッペンベルガー
イタリア・ローマの人気観光名所、 ナヴォーナ広場にある歴史的建造物 「ムーア人の噴水」の一部が3日早朝、 何者かに破壊されました。 イタリア警察が、監視カメラの映像を 頼りに犯人を追っています。 警察によると、監視カメラの映像には、 濃い色の上着にジーンズ姿の45歳前後と 見られる男が泉に入り込み、 大きな石を手に噴水内の像や 小さな彫刻類を壊す姿が映っていた ということです。 広場南端にある「ムーア人の噴水」は 底にピンク大理石が敷かれ、 イルカと格闘するムーア人の銅像の周囲を、 4対の海の神トリトン像が取り囲んでいます。 イルカとトリトンは1575年にジョコモ・デッラ・ポルタが デザインしたもので、その後1653年に、バロックの時期を 代表するイタリアの彫刻家、建築家で画家の ジャン・ロレンツォ・ベルニーニによって ムーア人の銅像が付け加えられました。 オリジナルの像は1874年、修復のために市内の ボルゲーゼ公園に移され、現在の泉に設置されて いるのはその時作られた複製だそうです。 被害は限定的で、破壊された部分も全て 回収できているので、恐らく元通りに修復 できるだろうと言う事です。 ムーア人の噴水
ニューヨーク・マンハッタンにある 絵画収集家の高級アパートから 米画家、アンディ・ウォーホルの作品が盗まれました。 盗まれたのはウォーホルの作品「スーパーマン」 など絵画10点以上と貴金属類で、 被害総額は約75万ドル(約6200万円)だそうです。 犯人は家人が不在の時、5階建てアパートの 玄関の壁に穴をあけて侵入し、防犯カメラも持ち去った ということです。
米国の鳥類学者ジョン・オーデュボンの著書 「アメリカの鳥類」が7日、 ロンドンの競売会社サザビーズで 732万1250ポンド(約9億6500万円) で落札されました。 印刷された書籍に付けられた競売価格の 世界記録を更新しました。 「アメリカの鳥類」は全4巻からなり、 1827~38年に出版されました。 縦横が90センチ×60センチの大型本。 計435の鳥類が美しい水彩画で、 ほぼ実物大で描かれています。 これまでの最高額は2000年に 米ニューヨークでの競売で落札された同じ 「アメリカの鳥類」の別の版で、 約880万ドル(当時の為替レートで約9億3500万円) でした。
オーデュボン
パブロ・ピカソの未発表作品271点が フランスで発見されました。 見つかった作品は、ピカソの創作意欲が最も 高かった時期とされる1900~1932年に 制作されたもので、総額は6000万ユーロ (約66億円)に上るとみられています。 これらの作品を、ピカソ本人から無償で譲り受けた のだと元電気工のルゲネクさん(71)は主張しています。 しかし、ピカソの遺産管理団体側は、 これらの作品は盗まれたものだと主張しています。 ピカソ家の弁護士も、ルゲネクさんが、ピカソの 長年の友人だったと主張しているのに対し、 一度も名前を聞いたことがない人物だとして、 譲渡については疑問であると語っています。 ルゲネクさんの弁護士は、 ルゲネクさんが遺産管理団体にこれらの作品を 持ち込んでいることから、もしも盗品の取引を しようとしたのなら、遺産管理団体に持ち込むはずは ないと主張しています。 これらの作品は現在、パリ近郊の施設で フランスの芸術作品盗難防止当局が 保管しているとのことです。
仏パリ市内のアパートから見つかった1 9世紀のイタリアの画家ジョバンニ・ボルディーニ が描いた女性肖像画がこのほど、 210万ユーロ(約2億4000万円)で落札されました。 競売にかけた仏美術専門商によると、 ボルディーニ作品としては史上最高額だということです。 絵画が見つかったアパートは、所有者の女性が 第二次大戦前に南仏に移住したために 数十年も無人となっていました。 この女性が91歳で死去し、 6月に室内を整理していた際に発見されました。 絵画に描かれている女性は、所有者の女性の 祖母にあたる女優だということです。 ジョバンニ・ボルディーニ
米カリフォルニア州で、 美術教師で収集家の男性が 45ドル(約4000円)で 購入した写真の乾板(ガラスのネガ)が、 著名写真家アンセル・アダムス(1902~1984) のものであることが分かりました。 この男性は、10年ほど前カリフォルニア州の ガレージセールで写真乾板65枚を45ドルで購入し、 これを鑑定作業に出していたそうです。 このほど鑑定作業が終了し、その結果、 2億ドル(約176億円)の価値があることが 分かったのだそうです。 鑑定には写真の専門家だけでなく、 筆跡鑑定家や、撮影当時の天候を確認するため 気象専門家らの協力も必要で、 非常に難しい作業だったということです。 絵画と異なり、写真には作家の署名もなく、 撮影者を決める決定的な鑑定法は確立されていない のだそうです。 アンセル・アダムスの写真
米ニューヨークで行った競売で、 スペインの画家パブロ・ピカソの絵画 「ヌード、観葉植物と胸像」が、 史上最高額となる約1億640万ドル(約101億円)で 落札されました。 1932年に描かれたこの油絵作品は 前年亡くなった慈善家のコレクションでした。 これまでの最高額だったのは、 スイスの彫刻家アルベルト・ジャコメッティ の作品「歩く男」で、1億430万ドル(約99億円) だったそうです。