三陸沿岸から約4000キロ離れた
北太平洋のミッドウェー諸島(米ハワイ州)を、
3月11日の東日本大震災の津波が襲いました。
その際、コアホウドリなどのヒナ11万羽以上が
犠牲になったことが、このほど現地を訪れた海洋写真家、
杉森雄幸さんの取材で明らかになりました。
第1波が襲来し、第4波までに確認された
津波の高さは最大1メートル50に達し、
諸島中最大のサンド島は20%、
2番目のイースタン島は60%が冠水したそうです。
当時、サンド島にいた滞在者81人は
全員無事でしたが、平坦な島々に生息する
コアホウドリやクロアシアホウドリのヒナが
流されるなどして大量に死んでしまいました。
ミッドウェー諸島
ミッドウェー諸島近海で、日本海軍とアメリカ軍との
海戦が行われアメリカ軍が勝利しました(ミッドウェー海戦)。
日本は海戦に勝利した場合、
ミッドウェー諸島を『水無月島』と改名し領土化すること
を予定し、直ちに占領体制を敷けるよう
郵便局長など多数の文官を艦隊に帯同させましたが、
敗戦によってその試みは潰えました。
冷戦期もアメリカ海軍の基地が置かれていましたが、
冷戦終結後、島は自然保護区となることが決定され、
軍事基地は1996年に閉鎖されました。
その後はエコツーリズムの場として観光客の受け入れが
行われていましたが2002年に中止されました。
2010年以降は、アメリカ内務省魚類野生生物局の管理下
担当官が数十名駐在するのみの島になっています。
島内には、ミッドウェー海戦の慰霊碑がある関係から、
日本の自衛隊の艦船が立ち寄ることがあります。
★☆ちょっと一言 ☆★
災害は、人だけでなく、動物にも影響が及びます。
自然災害は諦めがついても、
戦争などによる人為的なものは
諦めがつかないだけでなく、
後々に怨念等の感情を残します。
地球上の各地で紛争や戦争は未だに続いていますが、
戦争等での犠牲の情報を聞く度に
居たたまれない気持で一杯になります。
傷つけ合う事の無い世界になって欲しいものですね。