ロシア中部タタルスタン共和国で10日、
ボルガ川を航行していた観光船が沈没し、
これまでに2人の死亡が確認されたほか、
100人以上が行方不明となっています。
不明者の多くは子どもたちだそうです。
転覆した観光船は1955年に当時の
チェコスロバキアで製造された
「ブルガリア」(全長80メートル)で、
沈没当時は乗客150人、
乗組員30人以上が乗っていました。
生存者や目撃者の話によると、
観光船はモスクワ東方800キロほどの地点を
航行していた10日午後、激しい暴雨に見舞われ、
川が大きく蛇行する地点に差し掛かった時に
突然、バランスを崩して転覆。
数分で沈没したということです。
観光船が沈没したのは、
ボルガ川で最も川幅が広く、
川岸から3キロ離れた地点でした。
捜索隊は11日未明までに
80人あまりを救出しましたが、
更なる生存者発見の見込みは薄いということです。
ボルガ川は旧ソ連時代から夏季の人気観光地で、
これまでに死者が出るような大事故が起きたことは
なかったそうです。
ロシア中部で遊覧船沈没
ボルガ川(ヴォルガ川)は、ロシア連邦の西部を流れる、
ヨーロッパ州最長の川でです。
「ロシアの母なる川」とも言われ、
全長は3,690kmに及びます。
ボルガ川全域は毎年冬の三ヶ月間は氷結します。
帝政ロシア時代にはボルガ川海軍艦隊が置かれました。
ボルガ川は水運が盛んなほか、多くの運河が
建設されており、運河やドン川を伝って、
白海、バルト海、カスピ海、アゾフ海(黒海)
などの間が水路で繋がっています。
また巨大なダムと水力発電所が流域に多数建設され、
多数の町を沈めた海のような貯水湖が
いくつも連なっています。
流域は肥沃で麦が大量に生産されます。
また、石油・天然ガス・岩塩などの鉱物資源も豊富です。
漁業も盛んで、カスピ海に近いアストラハンは
キャビア生産の中心地となっています。
一方で沿岸の化学工場による汚染も問題となっています。
ボルガの舟歌
★☆ちょっと一言 ☆★
沈没した船は、140人の定員のところを
約190人乗っていたそうです。
また、左右2つのエンジンのうち左のエンジンが
故障していたにもかかわらず、航行した疑いが
あるそうです。
「これぐらい大丈夫だろう」
「今まで事故は起こらなかったから」
などと考えて物事を行うと
取り返しのつかない事が起きる場合があります。
何事も、して良いかどうかを良く考えて、
行為をしなくてはならない
と言う事かも知れませんね。